【パ・リーグ】UZR(守備力)ランキングと2019年ゴールデングラブ賞予想(190907時点)

【パ・リーグ】UZR(守備力)ランキングと2019年ゴールデングラブ賞予想(190907時点)

こんにちは。とらです。

ここ数日、自宅療養中です(痛風のため)。
動けないのでマネーボールを読みました(映画も見ました)。

勉強になりましたし、面白かったです。(ただ、前半スカウトの人多くて誰が誰か…)
それにしてもKindleのハイライト機能って後で簡単に見返せるから便利ですよね。

さて、以前は打撃に関する指標OPSの記事を書きましたが、今回は守備に関する指標UZRのデータを見ていきます。
2019年のゴールデングラブ(GG)賞の行方も予想します!

今回はUZRとゴールデングラブ(GG)賞予想のパリーグ編です!
と、その前に。

【2019年11月追記】ゴールデングラブ賞発表後の記事はこちら

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UZR(Ultimate Zone Rating)とは

レンジファクター(RF)の欠点を補正するために考案されたゾーンレーティング(ZR)を発展させたもので、「リーグにおける同じ守備位置の平均的な選手が守る場合に比べて、守備でどれだけの失点を防いだか」を表す。

wikipediaにもあるように、「守備でどれだけ失点を防げたか」を相対的に表す指標です。
数字は得点換算なので、何点防いだか、何点献上したかが表現されます。

また、UZRは獲得したアウト数が多い方が有利なので、守備イニング数が多い方が高得点を狙えます。
そのため、イニング換算をしたUZR/1000やUZR/1200の方が選手を比べる際には有効と言われています。
(UZRはチームに対する貢献度を測るには有用)

では、このUZRは何をもとに計算されるのでしょうか。
UZRは球場を細かくゾーン分けし、それぞれの位置に飛んだ打球の種類・位置・速度を細かく分類して計算します。

ここからはDELTA社のUZRの説明ページが参考になります。

1.02 Essence of Baseball
数字から見たプロ野球。セイバーメトリクス的視点から見るためのデータを提供します。印象と違う意外な数字や、その数字から読み解くコラムなどを紹介します。

※今回使用するのもDELTA社のデータです。
UZRに関する説明を一部抜粋します。

各ゾーンにおけるプレーの価値を計算する材料は、その打球が「平均的にどれだけアウトになるか」と「どれだけ得点価値を持っているか」である。例えば三遊間に飛んだある種類のゴロは、リーグ全体のデータを見ると50%の割合で遊撃手に、10%の割合で三塁手によってアウトにされるとする。

そうするとこの打球は通常60%の割合でいずれかの守備者によってアウトにされることになる。このとき遊撃手がアウトを成立させたなら、60%(アウトの期待値では0.6)だった確率を100%(アウト数1)にしたということで差分の0.4アウトをプラス評価として遊撃手に与える。この打球の価値が0.72点であれば、0.72点の価値があるアウトを0.4個稼いだのだから、遊撃手は得点の意味では0.72と0.4の積である0.288点だけこのプレーによって失点を防いだことになる。これがUZRによる当該プレーに対するプラス評価である。

要するにOPSのようにちょっと数字を足したり引いたりして出せる数字ではないということですね。
なので、DELTA社のような企業が公開しているデータをお借りしないととても趣味で計算できるものではないです。
DELTA社では他にもたくさんのデータを扱っていますので、興味のある方はぜひ見てください。

1.02 Essence of Baseball
数字から見たプロ野球。セイバーメトリクス的視点から見るためのデータを提供します。印象と違う意外な数字や、その数字から読み解くコラムなどを紹介します。

そして、UZRにも評価基準が存在します。
※UZRは相対評価なので、参考程度に。

評価UZR
ゴールデングラブ(GG)級+15
優秀+10
平均以上+5
平均0
平均以下-5
悪い-10
非常に悪い-15

UZRに使用する4つの指標

さて、UZRを計算するとき、次の4つの指標が表れます。

・RngR(range runs):打球処理による貢献
・ErrR(error runs):失策抑止による貢献
・DPR(double-play runs):内野手の併殺完成による貢献
・ARM(arm ratings):外野手の送球による貢献

※DELTA社 UZR概要より

もっと端的に言うと、こんな感じになります。
RngR:守備範囲
ErrR:失策抑止
DPR:併殺能力(内野)
ARM:スローイングの良さ(外野)

これらを合算すると、UZRになるため選手によってどの値が良いのか悪いのかを見る必要があります。

UZR = RngR + ErrR + DPR + ARM

※UZRは投手・捕手は対象外ですがDELTA社は捕殺や盗塁阻止などの数字を考慮した「Catcher」という指標もあります。

【パ・リーグ】ポジション別UZRランキング

少々長くなりましたが、ここからランキングを見ていきましょう。
UZRはポジション別に見ていくことになります!

キャッチャー

選手名DPRCatcherErrRUZR
/1000
評価2018GG
(B)若月-0.23.80.24.5平均
(H)甲斐0.71.70.42.8平均
(M)田村-0.33-0.92.8平均
(L)森-0.2-3.91-3.1平均

キャッチャーは元々対象外の数値なので参考としてですが、UZRではバファローズの若月がTOPとなりました。
森の数字が多少悪く見える程度でしょうか。どちらかというと打つのが本職な感じなので十分おつりが来ているような…。

細かく見ると、甲斐のDPR(併殺貢献能力)が高いです。肩の強さが影響してるのでしょうか。
また、9/7時点で1000イニング以上出ているのも甲斐のみです。

こう見るとキャッチャーは従来通り、盗塁阻止率等を個別に見た方が特徴が見やすいのかもしれません。

ファースト

選手名DPRRngRErrRUZR
/1000
評価2018GG
(H)内川1.713.5419.9GG級
(E)銀次1.4-0.12.94.1平均
(M)鈴木0-2.10.5-2.6平均
(F)中田1.5-4.7-0.6-4.9平均
(L)山川0.3-3.9-0.9-3.9平均

ファーストではホークス内川が圧倒的です。
「守備範囲が広く、エラーしない」というしっかり守れるファーストです。
ちなみに守備率も1なので、ホントにエラー0です。

特にRngR(守備範囲)が他と比べると異様に高いです。
というかプラスなのは内川のみ。

5番目にライオンズ山川がつけていますが、ギリギリ平均レベルです。
ただホームラン40本ぐらい打つので、キャッチャー森と同様に問題ないかと思います。

セカンド

選手名DPRRngRErrRUZR
/1000
評価2018GG
(M)中村-2.811.30.17.9平均以上
(L)外崎1.240.14.7平均
(E)浅村-0.20.22.32.1平均
(B)福田1.50.8-0.51.9平均
(F)渡邉-3.5-3.21-5.6平均以下

続いて、セカンドです。
昨年ゴールデングラブ賞のロッテ中村の守備範囲の広さが目立ちます。
少し併殺能力が低いでしょうか。
今年移籍したイーグルス浅村は失策が少なさそうです。
※実際に5選手中、守備率は1位
浅村が抜けてセカンドについた外崎もまずまずの数字ですね。

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サード

選手名DPRRngRErrRUZR
/1000
評価2018GG
(M)レアード-0.8-12.50.8平均
(L)中村-0.7-1.70.4-2.3平均
(H)松田-1.7-4.51.6-4.1平均

サードは昨年ゴールデングラブ賞のホークス松田が不調のようです。
広い守備範囲と安定した送球を誇っていたのですが、年齢による影響なのか守備機会の偶然なのか
細かいデータを見ないとなんとも言えませんが。
今のところ、昨年より守備率は確かに低いようです。

ショート

選手名DPRRngRErrRUZR
/1000
評価2018GG
(L)源田1.412.43.816.9GG級
(F)中島3.47.74.520.9GG級
(E)茂木0.13.4-12.7平均
(B)大城0.10.5-1.3-0.9平均
(H)今宮-3.1-3.43-4.8平均

守備の花形ショートは、「守備範囲オバケ」のライオンズ源田が今年も調子良さそうです。
1000イニングで見るとファイターズ中島がTOPですね。
守備率で見ると実は中島→今宮→源田→茂木→大城の順になります。

UZRが守備範囲を重視しているように見えますね。
失点を防ぐという意味では、やはり打球を通さない守備範囲が重要なのもわからない気はしますね。

レフト

選手名ARMRngRErrRUZR
/1000
評価2018GG
(L)金子0.313.30.615.7GG級
(E)島内-2.57.10.65.2平均以上
(B)吉田3.7-2.30.32.6平均
(M)角中-1.3-0.30.4-1.6平均
(H)Y・グラシアル0.4-2.90.3-3.7平均

外野部門ですので併殺貢献を示すDPRに代わり、送球貢献を示すARMが入ります。
レフトはライオンズ金子の守備範囲の広さが目立ちます。2位のイーグルス島内も負けてませんね。
送球貢献ではバファローズ吉田の数字が高いですね。

センター

選手名ARMRngRErrRUZR
/1000
評価2018GG
(E)辰己-0.28.90.513優秀
(L)秋山-0.40.30-0.1平均
(M)荻野3.1-7.50.6-4平均
(F)西川-8.7-0.10-7.9平均以下

続いて、最もゴールデングラブ賞が選ばれるセンターです。
外野手は3ポジションまとめてゴールデングラブ賞が選ばれるのですが、センターから選ばれることが多めです。

ルーキーのイーグルス辰巳の守備範囲が広いですね。
イーグルスはレフトの島内も守備範囲が広いので外野の守備力が高いのかもしれません。

また、今年は昨年ゴールデングラブ賞のホークス柳田が不在なので、辰巳は受賞のチャンスかもしれないですね。
昨年ゴールデングラブ賞のファイターズ西川ですが、俊足で守備範囲が広いと思いきや、実はそうでもなく。
このあたりも処理した打球の影響なんでしょうか。

ライト

選手名ARMRngRErrRUZR
/1000
評価2018GG
(F)大田-2.66.20.43.9平均
(H)上林-1.64.20.24.9平均
(L)木村5-12.70.3-8.3平均以下

最後はライトです。ファイターズ大田、ホークス上林の守備範囲がそこそこ広そうですね。
上林はケガの影響で守備機会が少ないです。

ライオンズ木村の送球貢献ですが、今回挙がっている全外野手でTOPの数字です。
投手から野手転向しただけあって、いい球投げます。

【気になっていたこと】H今宮 VS L源田

今回UZRをじっくり見るまでは、こんなことを思ってました。
「ショートといえば、今宮。新人の源田には負けんだろう。」
※福岡出身のため、ホークス推しです。

実際、源田と今宮を比べると守備率は今宮が良いです。
ただ、失点を防ぐという意味のUZRを見ると、守備範囲を示すRngRが異様に源田は高いです。
まさに「守備範囲オバケ」。
定位置から三遊間方向・二遊間方向の両方向の打球に対して、高い処理能力を示しているようですが、二遊間側は特に強いみたいです。
(二遊間側に寄ってんの?ってぐらいです)

ショートの中では年齢も若く、しばらく源田一強時代かもしれませんね。

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【パ・リーグ】2019年ゴールデングラブ賞予想

さて、最後に2019年ゴールデングラブ賞の予想です!!
ここまでUZRを見てきたのですが、実はそれだけで評価されないのがゴールデングラブ賞です(汗)
記者投票なので、インパクトあった選手が選ばれたりもしますね。

ポジション選手名
キャッチャー(H)甲斐 or (L)森
ファースト(H)内川
セカンド(M)中村 or (L)外崎 or (E)浅村
サード(M)レアード
ショート(L)源田
外野手1(L)金子
外野手2(E)島内
外野手3(E)辰巳

悩ましいのがセカンドと外野ですね。
セカンドは守備率1位のイーグルス浅村、守備範囲の広いマリーンズ中村、そしてコンバート後安定した守備の外崎。
終盤にかけての活躍具合では誰が選ばれてもおかしくはなさそうです。

外野手は昨年受賞のホークス柳田はケガで2019選出は無さそうです。
ライオンズ秋山、ファイターズ西川も守備の数字でみるとパッとしませんので、
守備の数字でいくと、3名なのですが…ルーキーのイーグルス辰巳を除くとやや華やかさが。。。
こちらも終盤の活躍具合でかなり変わってしまうかもしれません。

まとめ

今回守備の指標UZRを見ていきました。
これまでの守備率とは異なり守備範囲の広さが強く影響していそうです。

DELTA社の公開されている数字を参考にさせてもらいましたが、
DELTA社さんの記事に出てくるような細かいデータを見ていくともっと面白そうですね。

次回はセ・リーグ編を見ていきたいと思います!

2019年11月追記ついにゴールデングラブ賞受賞者発表!

【決定!】2019年ゴールデングラブ賞(予想と結果・答え合わせ) | とらのーと! TORA-NOTE
プロ野球界はFA争奪戦がついに始まりますね。 (とはいえ、残留宣言をした選手も多い印象です。特にカープ。) さて、今週はついにゴールデングラブ賞の発表がありました。 以前、シーズン中の守備成績を見て予想を立てていたので、今日はその答え合わせをしていきます!
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