【野球】エースはどこに消えた?~令和に考える新時代のエース~ 第2回

【野球】エースはどこに消えた?~令和に考える新時代のエース~ 第2回

こんばんは。とらです。

あっという間に2019年の日本シリーズも終わってしまい、寂しい寂しいシーズンオフを迎えました。
(プレミア12はありますが…)

「シーズンオフ=タイトル発表時期」を迎えたわけですが、とりわけ先週発表された「沢村賞該当者なし」の影響は大きく、メディアやYouTubeなどでも話題に挙がってますよね。
特に完投数や投球回数への言及を多く見かけます。

さて、そんな中「エースはどこに消えた?」の第2回です。

前回はエースと呼ばれるための条件「沢村賞」とそれに関連する規定投球回について書きましたが、
今回は日本プロ野球界で活躍した選手のインタビュー記事などから、「エースとはどのような存在か」=「エース像」について考えます。

みなさんのエース像はどのようなものでしょうか?

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プロ野球経験者の考える「エース像」

野球経験があるとはいえ、素人の僕があーだこーだといきなり言うのは何とも無謀なので、
まずはレジェンド達のエースをどう考えているのかを見てみました。
(まずは、と書きましたが今回はこれがメインです…!ww)
※各記事のリンクは、文末にまとめて掲載しています。気になる記事があった方は後程ご確認ください。

記事1:「エース格」の証明、「一流」の条件 “久々”の2桁勝利に挑むパの投手たち

打線との兼ね合いもあって、毎年限られた選手しか成し遂げられないこの記録。これを何年も連続して続けるとなると、当然、その難易度は跳ね上がる。

この記事では、「打高投低」とも言われる近年の球界において達成の難しい2桁勝利を「先発の栄誉」とし、それに挑むピッチャーについて書いています。
2桁勝利こそ「エースの証」とまで書いているわけではないですが、最低限2桁の勝利が各チームのエース格に求められていると読み取れます。

記事2:【伊東勤の野球論】涌井、則本、菅野…男気こそエースの条件

エースとは1人でゲームを投げ抜く投手。一つでも多くの試合をつくれる投手のこと。現代の野球では育ちにくいが、ロッテでは涌井がまさにエースだった。「涌井さんが投げているから何とかしたい」とチームに思わせる男気があった。今なら楽天の則本や岸、巨人の菅野もそうだろう。

ここでは「エースとは何か」がストレートに書かれています。
ズバリ、ゲームを投げ抜き・試合を作れるピッチャーのことだと。
また、「あの人が投げているから何とかしたい」とチームに思わせることが必要だと表現されています。
成績だけではない、姿勢・人間性がエースに必要だと読み取れます。

記事3:山本昌さん教えて!プロ野球ではどのような投手がエースになるの?

1.勝ち星が負け数を上回っていること
2.逆転負けが少ないこと
3.エースは10勝以上の勝ち星を計算されている
4.短いスパンで投げられる肩を持っていること

ここではエースに必要な条件が4つに分けて書かれています。
「2桁勝利し・貯金を作り・ゲームを壊さず・フィジカル的に強いこと」と言い換えられると思います。
ここではフィジカル的な強さが初めて出てきました。
ただ、1年間ローテーションを守って投げるには当然フィジカルの強さも重要ですよね。
実働期間の長かった山本昌さんが言うと余計に重たいですね。

記事4:黒田博樹の名言

エースの条件は安心感と信頼感だと思います。今日の試合、こいつが投げるっていう時に、チームやファンが安心感を持てる。それが信頼感になると思うし、そういうのを与えられるピッチャーこそがエースだと思う。

Numberの名言シリーズからですが、ここではエースがチームメイトだけでなく、ファンにも与える印象(オーラのようなもの)が重要だと書かれています。

この感情は、劣勢に立たされた時に記事2の「あの人のために」という気持ちにもつながりそうですね。

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記事5:野村克也 マー君は「エースの条件」を2つ兼ね備えていると語る

1つは、「チームの鑑」であること。日本シリーズの160球完投翌日の登板の是非は別として、勝利に賭ける執念や心意気は「間違いなくチームの手本であった」と称えます。
もう1つは、「負けない投手」であること。「勝てる投手」としてではなく、大一番をモノにしてきた「ここ一番の場面で負けない」投手である点を評価しています。

名選手・名監督して活躍したノムさんこと、野村克也さんの書籍の紹介記事ですが、エースの条件として「チームの鑑」「負けない投手」というキーワードを挙げています。
記事3にも通じますが、「負けない」というのは1つのキーワードと言えそうです。

記事6:渡辺久信が振り返る伝説の日本シリーズ。「西武にエースはいなかった」

通常であれば、そこまで負けていたら二軍に落とされますよね。それでもずっと一軍で投げ続けているんだから、それはやっぱりエースです。

この記事は西武・ヤクルトの日本シリーズを複数の選手・監督目線から振り返っている記事で、とても面白いです。
渡辺久信さんの会話の中で、「どんなに負けが込んでも一軍で投げ続ける(投げさせてもらえる)こと」がエースだと言います。
先ほどの記事5で出た「チームの鑑」としての部分に通じますね。
(おそらくはエースとしての条件は他にもあると思いますが、流れの中で出た条件の1つだと思われます)

記事7:豊田泰光氏「田中将大と稲尾和久は、まったくレベルが違う」

その点稲尾は、負け試合でも泣き言ひとついわず、降板する時には、次の投手のためにマウンドをならすことを忘れない冷静さも持ち合わせていた。だからこそ、稲尾が投げる時はナインが何とかしてやりたいと思ったんです。

この記事は昭和のエース・稲生和久さんについて語られたものですが、
記事2と同じく「あの人のために」と思わせる姿勢・人間性があることがエースの条件と語られています。

記事8:DeNA・今永、理想はマー君!エースとは「負けない投手」

「負けない投手。2013年の楽天・田中将大さん(現ヤンキース、24勝0敗)がそうですよね。3点取られても味方が4点取ってくれる。味方が1点ならゼロで抑える。目に見えない力を持っています」

タイトルにもある通り、現在のDeNAのエース格・今永選手がエースについて語っています。
ズバリ「負けない投手」こそ、理想だと言っていますね。

ちなみに良い投手だなぁと思っていた今永選手ですが、記事を読むとすごくクレバーな人で人間性にも好感を持ちました。

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記事9:特別インタビュー・金子千尋「投手は目線を変えてみることが必要」

負けないピッチャーです。15勝しても15敗してしまっては貯金が0なわけですからあまり意味がない。それなら最悪10勝0敗の方がいいかな、と。もちろん勝てるにこしたことはないけど、負けないことでチームメートからの信頼も得られると思いますし、僕がずっと負けなければ、相手も警戒してきますよね。やはり、相手に与える印象は大事だと思います。

こちらも現役ピッチャーの金子選手の記事です。
今永選手同様にやはり「負けない」ことがエースの条件と考えているようですね。

記事10:【独占手記】ソフトバンク千賀激白 お化けフォーク操れず苦悩も…丸封じまでつながった「新球」

気付けば1軍も後輩ばかりになって「次はおまえだよ」と矢面に立たされた感じ。常に人から見られ、模範になることを求められる。本当は一番後ろに隠れておきたいのが僕。周りがエースと言ってくれることは光栄だけど、それ以上に大変なことが待っていることを思い知らされた。

今やソフトバンクホークスのエースとなった千賀選手は、記事の中で「チームの模範」となることの大変さを挙げています。
やはり「チームの鑑」となることがエースの条件なのでしょう。

記事11:前田健太、ポスティング容認 変わりゆく日本球界のエース像

一昔前はドラフト1位で入団した高卒投手は「15年間はエースを張れる」と期待されたものだ。しかし、今は皮肉なことにスーパーエースとして定着したら思ったら、わずか数年で日本球界からいなくなってしまう。

この記事は「エース像」というより、2019年のように沢村賞に値するようなエースが生まれにくい原因に触れています。読んだときに「なるほど」と思いました。
確かに前回の記事にも書いた過去の沢村賞受賞者のうち、複数回受賞した田中将大・前田健太はメジャーへと渡ってしまっており、そういう環境の変化もあるんだなぁと改めて感じました。

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エースに求められるもの(第2回まとめ)

いくつかの記事から「エース像」に関する記述を抽出しました。
エースに求められるものとしては、下記にまとめられました。

・負けないこと(貯金を作ることができること)
・試合をつくれること(試合後半に逆転されないこと)
・チームの象徴として恥ずかしくない姿勢・人間性を有していること
・1年間投げ続けることのできるフィジカル・メンタルの強さ

上記はおそらく【結果に加えて】、エースとして求められる条件なのだと思われます。

また、黒田さんのファンをも意識した発言はとても印象的でした。
対戦相手のファンからしても、「あぁ…今日はダメかも」と思わせる相手ピッチャーは間違いなくその時代のエースだなと思います。

前回の記事で昭和・平成のエースたちについても触れると告知していたのですが、力及ばず、また次回に書くことにします…!

みなさんの最高のエースはどなたですか?

最後まで読んでくださった方は、次回もぜひお楽しみに。

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